【写真集】
『幼な児のごとく――三浦綾子文学アルバム』1994(平成6)年11月17日、北海道新聞社
北海道新聞社編
A4判、厚紙装、カバー、オビ
134p ; 28cm
三浦綾子の肖像あり
自作年譜: p129~134
2800円 (税込)
撮影:後山一郎
装幀/レイアウト:国見熙
以下を収録:
幼な児のごとく
第1部 三浦文学を生んだ風土
1小説の舞台と作者の原風景/2三浦文学と北海道――黒古一夫/3祈りの文学――佐古純一郎
第2部 写真でつづる三浦綾子の半生
1三浦綾子の一日――合田一道/2「三浦綾子」評伝――合田一道/3誕生から現在まで
第3部 友人から見た三浦綾子
1はげましの人――高野斗志美/2サイン会で――小檜山博/3言葉の花――木内綾/4ファインダーから見つめた三浦綾子さん――後山一郎
自作年譜(オビ)
北の巨星
三浦綾子さん逝く
(オビ裏)
三浦光世
夫の私が言うのもどうかと思うが、妻綾子は実に思いやりの深い女性である。無類に情け深いとも言える。
「眉隠るるまでに幼く帽子かぶり網走駅にノート取る妻」
いつか詠んだ私の歌だが、彼女は服を着るにも、帽子をかぶるにも、実に無造作だ。自分の容姿に全く無頓着なのだ。
「子供じゃないんだよ綾子。そうとっぷりと帽子をかぶるんじゃないよ」
と、幾度私は彼女の帽子を直してやったことだろう。流行を追うこともなければ、装身具に憂き身をやつすこともない。
「幼な児のごとくならなければ天国に入ることはできない」とはキリストの言葉だが、彼女の日々はまさに天国と言える。
(本書「幼な児のごとく」から)