【単行本】
『小さな一歩から』 1994(平成6)年11月21日、講談社
B6判、厚紙装、カバー、オビ
243頁
1200円
挿画:吉原英理
装幀:大泉拓
以下を収録:
会ってみたい人<幻の少年/森繁久弥夫人を思う/とんだ教師/二人の差/映像/生命断想/名医の姿/幻覚との共存/多喜二の女性観/鎧戸/花籠/味覚を失っているのに/称賛/時は経っても/人間の悲しさ/お高祖頭巾/寄せに入って/痴漢防止/隣人/なお一つを欠く/勇気ある提言/遠い日の少年郵便配達/誤解/精神的領域/夜の訪問者/二つのランドセル/迂闊千万/信じられないハプニング/いつかは事実となる/いやがらせ電話/罪の深さ/ある一生/会ってみたい人/影の一人/受洗記念日/語られざる言葉>
流氷<寒い旭川に病んで/新しい発見/この小さき一人になしたるは/「氷点」から「母」まで/音楽と私/白いマリ/三郎ちゃんごめんね/「一寸先は……」/言葉の持つ力/流氷/私の精神風土北海道/清い溝川/北海道の根っこ/二人で読む聖書/わが青春と読書/きょうもあなたを必要としている/失われた機会>
小さな一歩から<小さな一歩から/聖書と私/大いなる仕事の陰に/ただ神の憐れみによって/わたしと脱原発/役に立つということ/願いを起こさせる神/神は時に……/絶えず励んでいる人/再び祈りの約束/主の備え/間髪を入れずに/単純に信ずることが出来たら/先ず出すことから/薬と私/介護される身となって/存在は奇跡>
あとがき(一九九四年一〇月 三浦綾子)
初出紙・誌一覧
三浦綾子略歴(オビ)
自分にもできる小さなことから始めよう誰かのために
北国からの優しさに満ちた言葉の花束
(オビ背)
幸せの意味を考える誠実な愛のエッセイ(オビ裏)
小さな犠牲なら、私たちも捧げられるかも知れない。たとえば、自分の庭に咲く一番美しいバラを、病んでいる人のために切って捧げることはできないか。
そう思った時、捧げようと思えば、もっともっと捧げ得ることに私は気づいた。つまり、どんなに忙しくても、一日に十分の時間を誰かのために割くことはできないかと思ったのだ。電話でもいい、葉書でもいい、その人のために祈るだけでもいい。要は小さな一歩から始め得るのではなかろうか、と。――本文より。
【文庫】
『小さな一歩から』 1997(平成9)年11月15日、講談社文庫