書下ろし小説
【単行本】
1979(昭和54年)5月24日発行、講談社
B6判、厚紙装、カバー、オビ
251p ; 20cm
880円 (税込)
装幀:荻太郎
本文扉裏:著者直筆
収録:岩に立つ/あとがき(昭和五十四年春 三浦綾子)
B6判、厚紙装、カバー、オビ
251p ; 20cm
880円 (税込)
装幀:荻太郎
本文扉裏:著者直筆
収録:岩に立つ/あとがき(昭和五十四年春 三浦綾子)
(本文扉裏)
からだを殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。
キリスト(オビ)
人間らしい生き方とは?
真の人生の意味を問う感動の長篇
愛と信仰に生きる作家三浦綾子が七年の歳月をかけ祈りをこめて描く初の書下ろし
(オビ背)
感動の書下ろし
三浦綾子
(オビ裏)
私たちは、余りにも保身に巧みになり、様々なものにおもねる弱さを持っている。が、人間は何に従うべきなのか。その要をはっきりさせておくならば、その生き方は自ら定まる筈なのだ。神は正しい。神は清い。神は愛の方である。その神に従い、人を恐れないことは何よりも大事なことなのだ。そう私は思っている。その私の思いを、棟梁は現実に生きて来た。
<著者あとがきより>
- 作者: 三浦 綾子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1979/05
- メディア: 単行本
【作品集】
【文庫】
『岩に立つ』1984年10月15日、講談社文庫、講談社
287p ; 15cm
年譜: p283~287
360円 (税込)
『岩に立つ』1984年10月15日、講談社文庫、講談社
287p ; 15cm
年譜: p283~287
360円 (税込)
【電子全集】
比較的入手しやすいテクストは、講談社文庫版。あとがき、水谷昭夫氏による解説、著者自筆年譜つき。
「あとがき」にあるように、三浦夫妻の自宅を建てた棟梁・鈴木新吉氏(小説では鈴本新吉)をモデルにした小説である。エピソードの多い人で、三浦は半生を語ってもらい、テープに録音した内容を、当時の秘書・夏井坂裕子(現・宮嶋裕子)氏に書き取らせたが、なかなか筆が進まず、7年ほどかけて執筆した。
題名は「神に依って生きる」という意味をこめた。「岩」は神とキリストの象徴。
『この土の器をも』(新潮文庫版)によると、友人の松田氏から「この人の建てた官舎は、日本中の官舎の中でも一番確からしいですよ」と紹介してくれたのが鈴木新吉氏である。「九月十四日の夕食が終わった後だった。松田さんの紹介だという、裁判所の指名業者が我が家を訪ねてきた」とある。「棟梁は、以前わたしたちの六条教会に出入りしていたことや、市内の教会を幾つか建てたことなどを話し始めた。さらに、戦時中聖書をポケットに出征し、戦地で教会を訪れ、食料に困窮する中国人の牧師を助けた話や、帰国後特高刑事に尾行された話などもしてくれた。はなはだ逸話に富んだ人で、わたしたちは引き入れられるように、棟梁の話に耳を傾けた」とある。
【綾子から光世への献辞】
私たちの結婚二十年記念の
本となりました。本当にあり
がとうございます。心から
神のみを恐れたく思います。
一九七九・五・二四
綾子
偉大なる夫
光世様