【初出】
「死の彼方までも」:「小説宝石」1969年10月、光文社
「逃亡」:「小説宝石」1972年4月、光文社 ※原題「さいはて逃亡」
「赤い帽子」:「農業北海道」1972年6月、北海道新聞社
「足跡の消えた女」:「小説宝石」1973年5月、光文社
【単行本】
『死の彼方までも』1973(昭和48)年12月15日、光文社
B6判、布装、カバー、オビ
277p ; 20cm
790円
カバー絵/カット:中西清治
デザイン:伊藤憲治
(オビ)
●待望の最新文芸傑作!
三浦綾子
死の彼方までも
女の哀しさと愛憎の深淵を流麗な筆致で描く珠玉編!
表題作のほかに『赤い帽子』『足跡の消えた女』など3編収録。
(オビ裏)
『死の彼方までも』…銀行員の夫・俊之とその連れ子・七重、そして妻の順子の一家三人だけのささやかな幸せを打ち砕く電話の声…。それは癌に病んで死期間近い先妻・利加の声だった。女の深奥にひそむ復讐心を凝視する意欲作!
(カバー折り返し表)
大衆社会の大衆文学
文芸評論家 荒正人
三浦綾子さんの文学には、北海道とキリスト教と人道主義的感覚の香りを感じる。そんなものは、甘ったるくて、自分の人生とは関係ないと放言する人たちは、どこかで計算を間違えている。その間違いは、公害で地球は滅びてしまうという安易な終末論と同じである。人生をまじめに力づよく生きるためには、甘さを大切にしなければならぬ。『死の彼方までも』は、大人の文学であり、「大衆社会」の「大衆文学」である。日本民族の文学でもある。
【文学全集】
『北海道文学全集17』1981年5月10日、立風書房
328p ; 22cm
3500円 (税込)
※三浦綾子の作品は『死の彼方までも』『井戸』『尾燈』が収録されている。
【文庫】
『死の彼方までも』1983年4月15日、講談社文庫、講談社
283p ; 15cm
340円 (税込)
収録作品:死の彼方までも/赤い帽子/足跡の消えた女/逃亡/年譜:p279~283
『死の彼方までも』2009年9月4日、小学館文庫
【作品集】
『三浦綾子作品集 第五巻』1983年12月25日、朝日新聞社
【全集】
『三浦綾子全集 第四巻』1991年12月6日、主婦の友社
【電子全集】
『三浦綾子 電子全集 死の彼方までも』2012年12月14日、小学館ebooks