【初出】
「主婦の友」(1967年1月~1968年12月、主婦の友社)に連載
「主婦の友」(1967年1月~1968年12月、主婦の友社)に連載
【単行本】
1969(昭和44)年1月31日発行、主婦の友社
1969(昭和44)年1月31日発行、主婦の友社
B6版、厚紙装、カバー、帯
306p ; 19cm
980円
980円
装丁:堀文子
収録:道ありき
収録:道ありき
(オビ)
三浦綾子初めての自伝小説!
退廃と絶望の底から、愛と信仰によみがえるまで。人気随一の女流作家が告白した青春の"心の歴史"。(オビ背)
自伝小説(オビ裏)
わたしはこの中で、自分の心の歴史を書いてみたいと思う。
ある人は、「女には精神的な生活がない」と言った。果してそうであろうか。この言葉を聞いたのは、わたしが女学生の低学年の頃であったが、(女にだって魂はある。思想はある。いや、あるべきではずである)と、そのときのわたしは、自分自身に言いきかせた。
この作品は、わたしの心の歴史であって、必ずしも、事実そのままではない。
しかし、心の歴史である以上、わたしの精神的な生活を豊かにし、生長させ、もしくは傷つけた事柄は、なるべく事実に即して書いていきたい。("はじめに"より)
三浦綾子
【文庫】
『道ありき 青春編』1973(昭和48)年10月1日、主婦の友文庫、主婦の友社
176p ; 19cm
330円(税込)
収録:道ありき
『道ありき 青春編』1973(昭和48)年10月1日、主婦の友文庫、主婦の友社
176p ; 19cm
330円(税込)
収録:道ありき
『道ありき 青春編』1980年3月25日、新潮文庫1980年3月25日、新潮社
310p ; 15cm
320円
収録:道ありき/解説(水谷昭夫)
310p ; 15cm
320円
収録:道ありき/解説(水谷昭夫)
『道ありき 青春編』(改版)2002年4月、新潮文庫、新潮社
381p;15cm
590円 (税込)
【作品集】
『三浦綾子作品集 第十四巻』1983(昭和58)年7月25日、朝日新聞社
【新装版】
『道ありき(新装版)』1989(平成元)年12月16日発行、主婦の友社
B6版、厚紙装、カバー、オビ
317頁
1500円
『道ありき(新装版)』1989(平成元)年12月16日発行、主婦の友社
B6版、厚紙装、カバー、オビ
317頁
1500円
収録:太陽は再び没せず/道ありき/新装版発刊に際して(一九八九年十一月)
※新装版にあたって、「太陽は再び没せず」が追加。
(オビ)
三浦文学の原点!初の自伝!青春の日々に、突如訪れた死の影と絶望。暗闇の中で神に、そして愛にめぐりあった奇蹟のとき――
『道ありき』のもとになった手記『太陽は再び没せず』をあわせて収録。
新装愛蔵版
(オビ背)
新装愛蔵版
三浦綾子
(オビ裏)
敗戦後、教育をとおして戦争に加担してしまったという自責の念から教職を辞した若き日の三浦綾子――結核と脊椎カリエスという難病に突如見舞われ、さらに心の支えであった恋人と死別する。十三年に及ぶ闘病生活を経て、ようやく彼女に訪れた光明。それはキリストの教えであり、夫三浦光世との出会いであった――心と魂を描きつづけ、語りつづける作家・三浦綾子が青春の日々の心の歴史を綴る自伝小説。
【全集】
『三浦綾子全集 第三巻』1991(平成3)年10月5日、主婦の友社
【小説選集】
『塩狩峠/道ありき(三浦綾子小説選集3)』 2001(平成13)年1月20日、主婦の友社

塩狩峠・道ありき (三浦綾子小説選集) (三浦綾子小説選集)
- 作者: 三浦 綾子
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 単行本
【電子全集】
『三浦綾子 電子全集 道ありき』2012年11月9日、小学館ebooks
【朗読CD】
2009年10月
『朗読CD『道ありき』』
朗読:中村啓子
作:三浦綾子
CD 64分
音楽:根本正道(株式会社クレッシェンド)
構成:森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)
制作協力:三浦綾子記念文学館
表紙題字:中西清治
表紙絵画:中西清治
【梗概】
作家・三浦綾子の「心の歴史」を描く自伝。
この自伝は、三浦が結納の日の当日に貧血で倒れるところからはじまる。虚無に流されるまま二重婚約をし、肺病にかかったことさえ「ざまあみろ」と喜ぶ三浦の前に現れたのは、幼馴染の前川正だった。
春光台の丘で「綾ちゃんが生きるためになら、自分の命もいらないと思ったほどでした。けれども信仰のうすいぼくには、あなたを救う力のないことを思い知らされたのです」と、自らの足を石で打ちつけた前川の真摯な愛、その彼の愛したキリストを信じていこうと求道する中で、三浦は次第に虚無から立ち直って行く。
しかし、前川も三浦と同様に結核患者であり、自らの死を悟っていた。そしてある日三浦にこう告げるのである。
「綾ちゃんはいつまでも僕に甘えていては、いけませんよ。僕の願いは、綾ちゃんが誰にも頼らずに、ひとりで生きて行くことなのですから」
事実、前川正は、三浦に様々なものを与える。信仰の道をあゆむこと、短歌を詠むこと(もし、歌をやめたとしても歌以外の創作活動を続けること)、病に倒れて寝込んでいる人を励まし、生きる希望を与えること。幼馴染の献身的な愛により虚無的な日々から立ち直ったのも束の間、病が二人を引き放す。しかし、上のように三浦に諭した前川はその願いどおり、「綾ちゃんが誰にも頼らずに、ひとりで生きて行」けるように次のような手紙を残している。
「綾ちゃん。
お互に、精一杯の誠実な友情で交わって来れたことを、心から感謝します。
綾ちゃんは真の意味で私の最初の人であり、最後の人でした。
綾ちゃん、綾ちゃんは私が死んでも、生きることを止めることも、消極的になることもないと確かに約束してくださいましたよ。
万一、この約束に対し不誠実であれば、私の綾ちゃんは私の見込み違いだったわけです。そんな綾ちゃんではありませんね!
一度申したこと、繰返すことは控えてましたが、決して私は綾ちゃんの最後の人であることを願わなかったこと、このことが今改めて申述べたいことです。生きるということは苦しく、又、謎に満ちています。妙な約束に縛られて不自然な綾ちゃんになっては一番悲しいことです。(後略)」
涙に暮れる三浦の前に現れたのは、その恋人に生き写しの男性だった。
そして、二人はいつしかお互いをかけがえのないものと思い愛しあうようになり結ばれる。
本書では、三浦が伴侶と結ばれるまでの日々が綴られている。
【綾子から光世への献辞】
※1972年7月23日、『道ありき―わが青春の記―』に綾子から光世への献辞を書く。
いかにあなたが寛容で誠実な人であるかを、
今改めて思います。
初版が誰かの手にわたってしまったので
再びここに記します 1972・7・23 綾子 寛やかな愛の 光世様