integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

積木の箱:山田健一の父親/健一の父

山田健一の父親。
「発車」の章に登場。
「筋骨たくましい」と描写されるが、下の名前および年齢性格描写なし。
左官屋だが、冬は失業保険で暮しているので酒を飲み、花札に興じる。その様子は、山田の母により、次のように説明される。

「先生、わたし共左官屋は冬には仕事がないんですよ」
(略)
「それで、失業保険で冬は過ごしているんですけどねえ、人間暇があれば、ろくなことはしませんよね、先生。うちの主人と言ったら、毎日友だちを集めて、飲んでは、花札だの、マージャンだの……それもまあ言ってみれば、カケごとなんですよ」
「…………」
「それだけならまだしも、人数がそろわなきゃ、子供の健一を仲間に引きずりこみましてね。初めは嫌がっていたあの子も、けっこうそれがおもしろくなってしまったんですよ」
(中略)
「何といっても、失業保険をもらってるもんですからね、屋根の雪おろしなんか頼まれて、二、三日つづけて外へ出ようものなら、密告されて失業保険がおじゃんになるんですよ。かと言って、一日中ああしてカケごとをされたんでは、健一だってろくな者になりゃしませんよ」(発車)

この話を聞いて、悠二は失業保険制度に疑問を持ち、「失業保険を、短期の退職金とでも見なすことができないのだろうか」と考える。(発車)