川上某。下の名は記述なし。札幌のある商事会社の経理課長をしていた。八年前に部下の男が七十万円の不正を犯しくびになったが、「直接監督者として不行き届きであったことを恥じて悩」み、損失を埋め合わせようと奔走したがうまくいかず、次第にノイローゼ気味になる。また、妻に不明をなじられ、追い詰められて、「母が銭湯に出た僅かの間」に縊死。
(1)記述なし
(2)「一徹で正直者」「歯がゆいほど人のよかった」。久代は和夫に「和夫ちゃんのおじいちゃんはね、あんまりお金持じゃなかったけれど、お友だちが火事になった時、お洋服が二つしかないのに、ひとつあげたわよ」と語る。
(3)描写なし。