integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

少年航空兵

『積木の箱』:
悠二が通ういつもの靴磨きは悠二にに「あんたも学校の先生なら、靴ぐらい自分で磨くもんだ」といい、忠告を素直に聞いた悠二に「あんたはまたなんて素直な先生なんだ」と驚きつつも、自身が昔「小学校の教師」であったことを「いままでだれにもこのことはしゃべったことはない。実はねえ、おれは戦時中、小学校で高等科を受持っていたんだ。昭和十八年、十九年と、戦争が苛烈になっていく一方の時だった。おれは生徒たちに軍靴を教え、軍人勅諭を教え、日本人の幸福はこの戦争に参加して死ぬことだと教えた」と言い、教室に張られていた少年航空兵の募集ポスターを用いて「君たちも国のために大空へ羽ばたいてゆけと叫んだ」と語り、少年航空兵になった五人中三人の生徒が死んだことを「おれが殺したんだ」と悔いて靴磨きになったと告白する。(木洩れ陽)