integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

『草枕』

『大辞泉』(増補・新装版)によると

くさまくら【草枕】 夏目漱石の小説。明治三九年(一九〇六)発表。旅に出た青年画家を主人公に、非人情の境地を描く。

『夏目漱石事典』(別冊國文学NO.39、平成2年7月、學燈社)によると初出は、明治三十九年九月、「新小説」に発表。翌四十年一月、春陽堂から刊行された小説集『鶉籠』に所収。

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『積木の箱』:
「つまりね、わたしは夏目漱石が『草枕』で言った言葉をいつも思うのよ」と言い、戸沢千代は敬子に次のように言う。「そうよ。漱石は『草枕』の中で、世間というのはつまり隣近所に住む一人一人のことだとか、なんとかいっておりましたわね。とにかく、問題はその一人一人なのよ。わたしも、あなたも、杉浦先生も、一人一人がハッキリ戦争をいけないんだって、言えばいいと思うの。その仲間がだんだんふえて、政治家の奥さんも、実業家の奥さんも、御主人に、わたしせんそうはいやでございます、というのよ。みんながいやだいやだといえばいいと思うの。ほんとは誰だって、戦争はいやにきまっているんですけれど自分一人が何を言っても仕方がないなどと投げ出すから、戦争を起そうと思う者には、都合のいいことになってしまうのよ」(綿アメ)