integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

積木の箱:玉脇

私立北栄中学教員。3年生の担任の4人のうちの一人。社会科担当。下の名は記述なし。3年生の担任たちは入口に近い席に座っており、悠二のすぐ前にすわっている。喫煙者。悠二や他の教員に煙草を無心する。二学期から自家用車で中学に通い、誰でも乗せたがる。

玉脇の家を訪れた悠二は、度肝を抜かれる。玉脇の家は「さほど広い家ではなかったが、八畳の茶の間にはカラーテレビがでんとすえられ、体のうずまるようなソファのそばに、しゃれたフロアランプが立っている。カーテン、陽の透けるような安物ではなかった」と描写され、悠二は「どこかの重役の家みたいですね」と言う。

尾坂の件を根に持っている。

(1)「布地のいい合着の背広を玉脇は着ていた。その袖にのぞく金の腕時計もそう安物ではない。眼鏡にしても、やはり三、四千円のものではなかった。だがふしぎに、玉脇は貧相に見えるのである」。

(2)玉脇の教師観は以下のとおりである。「ねえ君、学校の教師というのは、父兄の贈り物だけが楽しみじゃないのかね。この副収入がなけりゃ、安月給で小生意気なガキ共を教える気なんか、なれるもんじゃない」。また「わたしはね、何も学校の先生になりたくて先生になったわけじゃないんだ。単に月給取りになったつもりなんだからねえ。教師としての自覚を持てたって、無理ですよ」とも言い、生徒や保護者からものをもらうのが好きで「わたしはこれが唯一の楽しみでしてね。もらうことは好きですな。くれるものなら木のこっぱでももらっておきますよ」と言い、若い河部に「乞食根性」と非難される。また、尾坂との事件に際しては、二年から担当しているにも関わらず、一度も訪問したことがない。何故ならば、鮭でもてなしてくれる家に長居をしていたからである。三年生を持ちたいというのも「卒業学年は実入りがちがうから」である。

(3)「仁義とは仁義ですよ。自分のかわいい子供がせわになっていると思えば、手拭いの一本も持って挨拶にくる。これが仁義じゃないですか。前任校はその点大したものでしたよ。背広や、電気洗濯機までもらったことがありますからね。そりゃあ豪勢なものでしたよ」