integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

積木の箱:大垣/大垣吉樹

私立北栄中学三年A組(悠二の受持学級)に在籍。
母の大垣夫人の言葉によると「あの津島さんと吉樹とは、いつもことごとく意見が対立しますのよ」。
「郊外の閑静な住宅街に大きな一戸を構えていた」。
冬休み、大垣の家から家庭訪問を始めた悠二は、一家が天人峡温泉に出かけ、不在であることに家庭訪問の出端をくじかれたような気がしつつもほっとする。

(1)「青白い顔をした少年」「いかにも人を小馬鹿にしたような表情」で自己紹介を始める。「大垣吉樹、ぼくは何になろうとも思いません。だって山田君や大川君たちのように、ボリジョイサーカスの団長だの、ショバイツアーだの、現実離れのした幼稚なことをいったって、しようがありません。山田くんたちだって、実は本気でそんなことを考えているとは思えません。そんなことを考えるより、この世は、そう自分の思ったとおりになれないものだということを、知っておいたほうがりこうだと思います」これに対し、「わたしは不賛成です。わたしたちは自分なりに夢を持って生きていい年ごろだと思います」という津島百合に対して「相変らず小生意気な微笑」を浮かべて「しかしね、津島さん。夢を持ったって、その夢がかなうかどうか、わかりゃしないよ。そんな、かなうかどうかもわからない夢を持つなんて、ぼくは損だと思うな」と反論する。

容姿は、母に似ていることが「どこかけんをふくんだまなざしの、細おもての顔が大垣吉樹によく似ていた」(大垣夫人)の描写でわかる。

(2)敬子によると「生意気」。悠二は、「炎」の章で前任者菊池が記した指導要録には、大垣について、「一見、生意気そうに見えるが、母思い、弟思いの情の厚い性格である」と記し、悠二は「自分よりも愛が深い」と感じると共に自分なら「人になじみず友人少なし」と記すだろうと思う。

(3)「しかしね、津島さん。夢を持ったって、その夢がかなうかどうか、わかりゃしないよ。そんな、かなうかどうかもわからない夢を持つなんて、ぼくは損だと思うな」(正門)