integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

積木の箱:敬子/寺西敬子

「半てん姿」「はじめの日紺の半てんを着て、店を手伝っていた女性」 
私立北栄中学の体操の教師。稚内出身で、私立北栄中学に就職が決まった一年前から川上久代の家に下宿をしている。

生徒たちから「お敬さん」と呼ばれている。

悠二に好意を寄せているが、みどりは「先生を好きな女はきらいなの。だいっきらいなの」と敵対心をあらわにする。また、「風鈴」の章では、一郎の口から「学校ではさ、みんな杉浦先生とお敬さんがあやしいって言ってるけど」と語られる。「砂湯」の章で、自身の気持ちを伝えた際、悠二から「あなたは美しい人ですね。心もやさしい」と言われるが、「女って、そんなたったひとことを聞いただけで、いつまでもその人を忘れられないということがあるのよ。わたし、何もおっしゃっていただかなくてもいいの」と言い、悠二から「手きびしい」と言われる。

久代の過去を知り、悠二をあきらめる気になり、稚内に帰省して見合いをしたことを悠二に告げる。また、悠二が自らの失火と言い張っている件についても、一郎の放火だと見抜く。

叔父が弁護士なので、悠二に放火の罪の重さや、犯人いんとくの罪について話す。

六月に稚内で結婚すると悠二に言う。

(1)「切れ長の黒い目が明るく笑っている二十三、四の女性」「少しきかん気の顔立ち」「紺の半てんの似合う、若い女性」と紹介される。体育教師らしく、「伸び伸びとした肢体」「さわれば弾けそうな丸い肩」「形のよい足」をしている。顔については、「張りのある大きな目」「大きな目をいっそう大きくみひらいて」と目が大きいことがうかがえる。「足の運び方が、体操の教師らしくのびのびして美しい」。

(2)「感じはいいが、どこか勝気な人」だと悠二は思う。「伸び伸びとした肢体と同様に、伸び伸びとした性格」。「単純な性格」。「持ち前の気軽さ」で久代に下宿をさせてくれないかという。悠二によると「情報キャッチが早い」。

雨が降って生徒の下校が困難な時は、体育館でフォークダンスを開催する。生徒を注意する際には「笑顔だが、ハッキリとした口調」で「その態度には、教師としての権威があった」。

(3)「久代さんの話を聞いて、先生をあきらめる気になったの。わたしさえ結婚すれば、もう遠慮をしないと思うの。先生、あの人は先生が好きなのよ、でも佐々林豪一のおかげで、男の人が恐ろしくなってるの。わたしだって、そんな目にあって赤ちゃんができたら、男なんか身の毛のよだつほど嫌いになると思うわ。ねえ先生、久代さんがかわいそうじゃない?」(こだま)