integral:三浦綾子資料室

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続氷点:(老女の)息子

見本林の桜を見に来た夏枝は、土手の上に座っている老女に話しかけ、老女の会話からシンガポールで戦死した息子のことを聞く。息子はシンガポールで死んだが、「役場からもらった遺骨の箱に、紙きれが一枚入っていた」だけで、老女は息子の戦死したところに行ってみたかったが、行かないまま八十を過ぎてしまった。また、「シンガポールっていうのは、アメリカかね、ロシヤかね」という言葉で、夏枝は老女が自分の息子がどこで死んだかを知らないことに「はっと胸を打たれる」。