integral:三浦綾子資料室

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続氷点:郁子/高木郁子

高木に話が来た見合い相手。三十七の候補者。未亡人で、十五と十三の男の子がいる。郁子に決めた理由について、高木は、現役で働けるのが十五年と想定したうえで次のように語っている。
「三十七の人をもらうと、つれて来た子供は、三十と二十八になっている。俺の子が生れても、その兄貴たちが、少しは面倒も見るだろうよ。まず安心して死ねるというわけだ」「いま十五と十三の子供をかかえてでは、もらい手もない」「俺もしょうばいがら、殺生してきているからな。この辺で、せめて罪ほろぼしに人の子でも育てるさ」
啓造は、「母と妻との板ばさみになるのは、あの磊落そうに見える高木にも、避けたいことだったのかもしれない」と推測する。前夫については、高木が「あいつらのおやじは偉いよ。子供は公共のものだと考えて、あんな名前をつけたんだな」と語るのみ。

(1)村井は啓造に「奥さんにちょっと似てますね」と語るが、描写なし。

(2)高木は新婚旅行先から、啓造に宛てて葉書を送るが、啓造は高木から便りなどもらったことはなく、郁子の配慮だと推測し、「高木の名の横に、小さく記した」郁子の名に微笑する。高木によると「死んだおふくろの生れ代りみたいなものだ。一日中、おれはたしなめられている」という。