integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

アララギ/オンコ

『大辞泉』(増補・新装版)によると

あららぎ【蘭】 1イチイの別名。2ノビルの古名。

---------------------------------------------------

『続氷点』:
・徹が北原に中島公園で小樽に行った話をしていた時、「傍のアララギが、芝生にこんもりとした影を落としている」。(雲ひとつ)
・「日曜の午後、おそい昼食をおえて、啓造はストーブの傍にあぐらをかいた。幾本もの縄でつられた庭のアララギの枝々に、白く積った雪がガラス越しに見える」。(冬囲い)
・陽子の下宿先に植えられている木。陽子の下宿は、相沢順子の世話で決まる。「下宿先の家の妻と、順子の母が従姉妹の関係で陽子を置いてくれることになったのである」。下宿は「クラーク会館のすぐ横を通って、一丁程東」で「通りに沿った狭い庭に、丈高いライラックやアララギなどを植えこんだ、古い木造二階建の静かなたたずまいの家である」。(新芽)
・高木の家の庭にある木。「アララギが丸く刈り込まれ」とある。(池の面)
・陽子と北原はクラーク会館のロビーで話をする。「窓外の芝生はすっかり雪に覆われ、五葉松やアララギのみどりが、くすんだ色を見せている。冬日がロビーの中に暖かくさし込み、空が淋しいほどにうす青かった」。(追跡)

『積木の箱』:
・「豪一と涼子は十メートルほど離れており、その間には、桜やアララギなどの庭木が五、六本あった。良一は豪一の存在に気づいていないようである。一郎は、その二人を二階から眺めながら、激しい自己嫌悪にかられていた」。(犬の声)
・一郎の家を見つけられず、「和夫はくたびれて公園の中に戻って行った。白鳥の池の中に、小さな中島がある。和夫はその中島のアララギのかげの、ベンチで横にな」るうちにうとうと眠くなった。(鉄柵)
※オンコと表記されることもあり、下はその例。
 二人は、オンコ(アララギ)の自然木で造った食堂に入った。入口には二抱えもある、樹齢数百年のオンコの柱があった。
 「オンコ造りの建物の中で食事をすると、長生きするんだそうだ」
 これもまたオンコの木で造ったテーブルの上のパンフレットを読みながら悠二が言った。(小路)