integral:三浦綾子資料室

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トウキビ

とうもろこしのこと。 

岡田哲編『日本の味探求事典』(東京堂出版、1996.1)によると以下の通り記されている。

とうきび 唐黍(北海道) とうもろこし・南蛮黍・玉蜀黍ともいう。イネ科に属する一年生草本で、原産地はアメリカ大陸といわれるが、不思議なことに野生種が発見されていない。北海道では、専らトウキビと呼んでいる。トウモロコシというのはモロコシキビのキビを省略して、トウ(唐)を付けたものである。一五世紀末に、コロンブスがアメリカ大陸を発見し、アメリカ・インディアンが常食していた種子を、ヨーロッパに持ち帰る。栽培しやすいので全世界に広がる。日本へは、安土桃山期の天正年間(一五七三~九一)に、ポルトガル人より長崎に伝えられる。北海道では、明治初年に開拓使が置かれ屯田兵が移住したときに、アメリカより種子を輸入し、栽培が盛んになる。生食用にはスイートコーンがよく、ピリカスイート・ジュビリーなどの品種がある。焼いて醤油をつけ茹でてバターを塗った、屋台のトウキビ売りは、六~八月の北海道の風物詩である。またトウキビの甘味を生かした郷土食に、<トウキビの混ぜご飯>がある。押し潰したトウキビに、ニンジン・油揚げを入れた炊き込みご飯である。(p242)

『氷点』:
・高木の好物。

『ひつじが丘』:
・教会の青年男女が皮を剥いている。「ピッと皮をむくと、ギッシリっとつまった黄色い清潔な実が秋の陽に輝く」。
・竹山はトウキビを食べながら、京子の訪問を待つ。

『続氷点』:
・啓造が街を歩いていると、トウキビ焼きの女が客を待っていた。「たれをつけて焼くトウキビの香りが、あたりに漂っている」(たそがれ)

『積木の箱』:
・「展望台にのぼると、何もないと思っていた所に、売店が何軒も立ち並び、イカやトウキビを焼く臭いが流れていた。悠二も大きな岩によりかかって、湖の方を眺めた。だが湖はおろか、すぐ下にあるはずの木や草さえもみえはしない」。(砂湯)
・みどりは、涼子が作ったトウキビのポタージュをおいしいとほめ、お代わりを要求する。(映像)