integral:三浦綾子資料室

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熊笹(くまざさ)

『大辞泉』(増補・新装版)によると

くまざさ【隈笹・熊笹】イネ科の植物。山地に自生。葉は幅の広い長楕円形で、冬に緑が枯れて白色にくま取られる。

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『氷点』:
徹と散歩に出かけた啓造は、ドイツトーヒの林を抜け、美瑛川のほとりに出て、「熊笹が両側から道をおおっている」小道を、「徹を背負って、笹をかきわけて進んで行った」。(線香花火)

『積木の箱』:
・「Sの字に曲がった長い坂だ。かたわらの熊笹が、風にさやさやと鳴った。五月の朝の陽に、笹の葉がひとところ刃物のようにきらりと光る」。(坂道) ※作品の冒頭
・「悠二は、白樺やヤチタモの根方をびっしりと敷きつめている熊笹のつややかな緑をながめながら、のんきに細い道を下って行った」。(坂道)
・「少し行くと、建物の一軒もないぼうぼうたる原に出た。熊笹が風に絶え間なくひかり、あちこちに楢の大樹がすっくと立っているばかりである。この人けのない道や笹原が、一郎には一番慰められる場所なのだ」。(鍵)
・「二人は手をつないで、和夫の家の方に帰って行った。細い坂道の両側は熊笹が生い茂り、エゾマツや白樺が豊かに枝を張っている」。(入道雲)
・みどりは、神社で悠二が久代と敬子とで迷う心理をあれこれ分析する。それを聞きながら、「悠二は黙って、かたわらの熊笹をちぎって笹笛を鳴らした」。(乱反射)
・「坂の両側には枯れた熊笹が雪の上に半分のぞいている。雪どけ水が泥色に濁って、坂道の片側を音を立てて走っていく」。(終章)