integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

(1)「川」:『氷点』第31章の題名。
8月の終わり、徹は友人から車を借りて来て、陽子と二人で層雲峡に行き、一泊する。そのとき、陽子は徹に自身がもらい子であることを知っていると告白する。

(2)汚染された川:自分本来の姿を損うことの例え 

・陽子は、徹に自身がもらい子であることを小学生の時から知っていたと告げる。その時、石狩川に例えて、自身の性格を次のように言う。

 陽子ね、石にかじりついてもひねくれるものかというきかなさがあるの。層雲峡にくる時、石狩川の上流がきれいだったわ。下流は工場の廃液で黒くよごれているけれど。あれをみても陽子は思うのよ。わたしは川じゃない。人間なんだ。たとえ廃液のようにきたないものをかけられたって、わたしはわたし本来の姿を失わないって、そう思ってたの。こんなの、やはり素直じゃないわね、おにいさん(上記に同)