integral:三浦綾子資料室

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ライラック/リラ

『大辞泉』(増補・新装版)によると、

ライラック[lilac] モクセイ科の落葉低木。幹は枝分かれしてよく茂り、葉は広卵形。四月ごろ、枝先に香りのある花を円錐状につける。花が白・赤・青色などの品種もあり、観賞用。バルカン地方の原産で、日本には明治中期に渡来。リラ。むらさきはしどい。[季 春]

リラ[liras] ライラックの別名。[季 花=春]

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『氷点』:
・夏枝は、村井の結婚式が十日後に迫った日に、結婚祝いを持って村井の家を訪れる。その時、「下駄箱の上にライラックの紫が豊かに活けられていた」のと六畳の「和室の床の間にも、ライラックが活けられてあった」のをみて、婚約者の咲子が札幌から遊びに来たのだろうと思う。(行くえ)
・酔っぱらった村井は、啓造と夏枝にライラックを活けに来た松崎由香子を凌辱したことを告げる。(同)
・「ライラックの花の美しい六月」(大吹雪)

『ひつじが丘』:
・札幌にある北水女子高校の愛称。校庭の周囲には、リラの木が多かったことから、「リラ高女」の愛称で親しまれている。
・「紫に白の絵の具をたっぷりとかきまぜたような、リラの花の色と、その香りが京子は好きだった」

『続氷点』:
・陽子の下宿先に植えられている木。陽子の下宿は、相沢順子の世話で決まる。「下宿先の家の妻と、順子の母が従姉妹の関係で陽子を置いてくれることになったのである」。下宿は「クラーク会館のすぐ横を通って、一丁程東」で「通りに沿った狭い庭に、丈高いライラックやアララギなどを植えこんだ、古い木造二階建の静かなたたずまいの家である」。(新芽)
・「陽子は再び椅子に腰をかけて、まだ明るい外を見た。きれいに刈り込まれた庭木が、手入れの行きとどいた芝生に、長い影を引いていた。ライラックの花が、紫に盛上がって咲いている」。(素描)