integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

ねむる/ねむり

(1)ねむる

『氷点』:
・啓造は、夫婦が一つの部屋で眠っていることについて、「一つの部屋に眠るということは、心をゆるしていることではならなかった。夫婦であっても、心の中に何をかくして生きているかはお互いにわからない。あるいはただ憎しみだけしか持たずに生きている夫婦もあるのではないか」と思う。(『氷点』堤防)
・辰子は自殺を図った陽子に「ねむるだけ、ねむったら早く起きるのよ。全くちがった人生が待っているんだもの」と呼びかける。(ねむり)

『ひつじが丘』:
・奈緒実は、輝子の元に別れ話をしに行った良一を待たずに眠る。
・良一は、輝子の家でたった一杯のウィスキーを飲んだことで、「ただまっくらな眠りの淵にひきずりこまれていった」結果、凍死体で発見される。

『続氷点』:
・「しかし、いずれにしても、あの四日の眠りは、かつての陽子を、遠い彼方に押しやってしまったような気がする。変っていないのは自分や徹だけで、陽子は全く別の世界を歩み始めているのではないか」。(雲ひとつ)

(2)『氷点』の最終章。
陽子は、見本林でカルモチンを飲んで自殺を図った。一方徹は虫の知らせを感じて旭川に戻るが、陽子の部屋で三通の遺書を発見する。高木の口から、陽子が誰の子であったのかを知らされる。陽子は佐石の娘ではなく、中川光夫と彼の下宿先の人妻・三井恵子の子であった。夏枝に犯人の娘を育てさせることなど出来ないと思った高木の配慮だった。啓造は、陽子の遺書を高木に渡す。そして、陽子が罪の根本について悩んだ末に自殺を図ったのだと気づく。