洞爺丸に乗っていた啓造が見ることになった急患。啓造が父からの教え「医師は、いついかなる時にも医師であれ」をきちんとまもっていることを示すエピソード。娘は一人旅らしい。啓造の診察により、胃けいれんだとわかる。救命具のひもが切れて泣いているところを、宣教師に救命具をもらい、助けられる。
(1)二十歳ぐらいの肥った娘
(2)
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『続氷点』では、次のように描写され、彼女が信仰をもったことが明かされる。
後に新聞記事で知ったことだが、この洞爺丸には二人の宣教師が乗っていた。一人は札幌、他の一人は帯広在住であった。二人共、救命具を人に与えて、自らは死んでいった。救命具を与えられた若い男女は、後にクリスチャンとなり、一人はYMCAで働いているという話も聞いた。(たそがれ)