(1)人間の光の象徴
『氷点』冒頭では、「東の空に入道雲が、高く陽に輝やいて、つくりつけたように動かない。」とある。⇔影:「ストローブ松の林の影が、くっきりと地に濃く短かった。その影が生あるもののように、くろぐろと不気味に息づいて見える」とある。
(2)真実を明らかにする光
『氷点』の夏枝は、「部屋いっぱい差しこむ、あたたかい陽の光がなければ、あるいは読まずに、もとに納めたかも知れぬ手紙」を読んだことにより、陽子の引き取られた経緯や啓造の本心を知る。
(3)「雲の上には、いつも太陽が輝いている」
夏枝に答辞をすり替えられた陽子は、壇に上って先生からこの言葉を教えてもらったことを語る。(答辞)