integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

ちいろば

ちいろば

ちいろば

  • 作者: 榎本 保郎
  • 出版社/メーカー: 聖灯社
  • 発売日: 1968/12
  • メディア: 単行本
『ちいろば先生物語』に出てくる榎本保郎(えのもとやすろう)氏の自伝。牧師になり世光教会を作り、今治教会に異動するまでを書いている。
『ちいろば先生物語』の序章は、三浦が、昭和44(1969)年の正月ごろ、体調を崩し、子宮癌の疑いがあるために精密検査を受けていた間、夫の光世氏が待合室で「いや、大丈夫。昨日送ってきた本を読んでいるから……」と答える場面で始まる。精密検査後、光世氏の第一声は「綾子、これはいい本だ。早速綾子も読んだらいいね」と答え、三浦は次のように回想している。
 (『ちいろば』? 妙な題!)
 そんなものは絶対に読まない、と中っ腹の私はそう思った。が、その本が妙に気になった。私は、精密検査を受けなければならないと三浦に告げた。が、三浦は実に晴れ晴れと明るい顔で言った。
「大丈夫だよ、綾子、万一癌だとしても、祈って神様に治していただこう。神様にとってはね、風邪を癒すことも、癌を癒すことも、同じなのだよ」
 三浦のことばも表情も確信に満ちていた。
とある。
 また、序文には、どのようにして三浦がこの人物の小説を書こうと触れたのか、榎本保郎氏に会いにいった際のことも書かれている。