integral:三浦綾子資料室

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思い出は再び訪ねるな

諺:

『ひつじが丘』で、昔良一と住んでいた函館の部屋を訪れたことを話した奈緒実は、竹山から「思い出は二度と訪れるものではないと言いますね」と言われ「でも、訪ねないでいられないのが、人情というものかもしれませんわ」と答える。

『続氷点』で、辰子は引き取った由香子に「旭川に帰った以上、遅かれ早かれ、村井や啓造に会うのは必然」なので「由香ちゃん、過去をふり切るには、過去の人に会うのが、一番手早いのかもしれないのよ。思い出は再び訪ねるなという諺があるでしょう。それは、美しい思い出も、結局は幻滅を感ずるってことなのね。つまり、逆手を取って、思い出を訪ねるのよ」といい、過去への決別を促す。(夜の顔)