integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

ニシムラ:洋菓子のニシムラ:

西村久蔵氏が経営していた札幌駅前の洋菓子店。三浦作品に頻出。現在はない。

『氷点』:
夏枝の入院中、啓造を訪問した辰子は「札幌に行ったら、ニシムラの喫茶で、高木さんにバッタリ会ったわ」と話し、高木の元に佐石の娘がいることを伝え、物語は思いがけない展開に進む。

『ひつじが丘』:
昭和25(1950)年8月末、京子が奈緒実を誘い、竹山への思いを口にする。「ニシムラは戦前から洋生で名高い店で、喫茶と食事の部も経営している。奈緒実の父は、この店の主人西村久蔵と親交があった。西村久蔵は賀川豊彦と共に、引揚者のために江別にキリスト村を拓いたり、信者や牧師のためにその生涯をささげてきた大樹のようなクリスチャンであった。だから、奈緒実もこの店には時々きていた」。耕介と愛子の人物造形に際し、西村久蔵ご夫妻の影響があることは、三浦自身が『道ありき』の中で、「西村先生を、どのように説明したら、人はわかってくださるだろう。わたしの小説「ひつじが丘」をもし読んでくださった方なら、小説の主人公奈緒実の両親を思い出していただきたい。あの牧師夫妻が、西村先生ご夫妻の一端を語っていることと思う」と述べていることから推察できる。

『続氷点』:
陽子と順子がのり巻きを食べ終えたころ、陽子の下宿にやってきた徹が「これ、ニシムラのアップルパイだよ」と差し入れをする。(新芽)