integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

チョコレート

(1)『氷点』第7章の題名。
辻口家に高木がやってくる。産婦人科医のかなしい役得でチョコレートなどを辻口家に持ってきたのだ。高木は、夏枝から女の子が欲しいと言われ、手相を見てやる。夜、啓造は高木に犯人の娘を引き取りたいと相談する。 

(2)作中に出てくるお菓子
『氷点』:
・高木は「産婦人科医の悲しき役得」で娼婦の中絶手術を行い、チョコレートをもらう。昭和21年ごろのチョコレートはめずらしい。
・村井の口から、由香子のことを聞いた夏枝は、村井への憎しみや怒りを陽子に向ける。夏枝の陽子に対する冷たさに気がついた啓造は、陽子にチョコレートや本を買って帰るようになる。(『氷点』冬の日)
・北原が来旭した夏、啓造が陽子のためにチョコレートを買おうと立ち寄る。店が二軒ならんでいるうちの、小さい、あまり繁盛していない方で啓造は買い物をする。包装紙も悪いし、包み方もまずいが、「(啓造が)百円のチョコレートを五枚ほど買うと、そこのおかみさんはかわいそうなほどうれしそうな顔をする」。啓造にとってはささやかな買い物が、その店の生活に大きなかかわりがあることを知って、気の重いような、しかしよいことをしたような思い」になる。
・陽子と二人で層雲峡にいった徹は運転中に陽子に口に入れてもらう。
・徹は酒のつまみに板チョコを食べるが、友人の前では食さない。

『積木の箱』:
・一郎とみどりは、佐々林家のことについて語り合う。その時、みどりは「菓子入れのふたを開けて、玉チョコをひとつつまんだ」。(暗い部屋)
・「久代がアイロンをかける間、一郎は和夫のそばに横になり、チョコレートを食べていた。その姿を、久代はアイロンをかけながら、微笑して眺めた」。(入道雲)
・サマーキャンプに出かけた悠二たちに、豪一はチョコレートとガムと、缶入りジュースをさしいれる。(砂湯)
・久代の店を訪れた奈美恵は、五十円のチョコレートを二ダース買い求めるが、久代はチョコレートを包みながら、「いち早く奈美恵の敵意を感じ取っていた」。奈美恵は久代にいろんなことを興奮していった挙句、去ってしまう。車が坂を下りる頃になって、買い物の品を置き忘れ、代金を支払わなかったことも思い出す。さらに「奈美恵は自分がもっと重大な忘れ物をしたような気がして、更にあらたな不安に襲われた」。(挑戦)