integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

 『ひつじが丘』:
冒頭は、「泳いでみたいような青い空であった。じっとみつめていると、空の奥からたぐりよせられるように、細い絹糸にも似た雲が湧いてくる」という冒頭で始まり、「竹山は、奈緒実がみつめている遠くの白い雲に視点を転じた。雲は陽に輝いて、きらりと一点に光っていた」という一文で終わる。作品末、奈緒実は、「白い雲」を見ながら、良一のことを思い、「十字架の下で、イエスの方に両手をのべたまま天にいるような」気になり、竹山は奈緒実に何を見ているのかを尋ね、奈緒実のそばの札に気づき、奈緒実のことを忘れ、「京子を愛するよりほかに自分の道はないのだ」と思いながら同じように雲を見る。

『続氷点』:
「新芽」の章で、陽子が薬を飲んだことを知った順子は、「生きるってこと、陽子さんのような方でも、つらいことだたのね」と「切実な、共感のこもった声」でいう。その直前に「順子は窓に目をやった。空に雲がぽっかりと浮かんでいる。じっと雲を見ている順子の目が次第にうるんだ」とある。

『水なき雲』:
単行本オビ裏に「題名は新約聖書ユダの書の、「彼らはいわば、風に吹きまわされる水なき雲」から取った。」とある。