integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

血/キリストの血/天からの血

(1)罪の象徴 
『氷点』:
夏枝は、村井との密会について「制御できないものが、自分の血の中に流れている」のを感じる。

(2)キリストの血/天からの血 

『ひつじが丘』:
良一は、次のような画を残している。「十字架にかかったキリストから、血がしたたり落ちていた。その十字架の下にキリストの血を浴びてじっとキリストを見上げている男の顔、それはまぎれなく良一の顔ではなかったか」。

『続氷点』:
陽子は、燃える流氷を見る。「人間の意表をつく自然の姿に、陽子は目を見はらずにはいられなかった。墓原のように蒼ざめた氷原が、野火のように燃え立とうとは。陽子はいまの今まで、夢想だにできなかった。いかなるプリズムのいたずらか。とにかく、いま、確かに現実に陽子の目の前に、流氷はめらめらと炎を上げて燃えているのだ」。「次の瞬間だった。突如、ぽとりと血を滴らせたような真紅に流氷の一点が滲んだ。あるいは、氷原の底から、真紅の血が滲み出たといってよかった」。そして「キリストが十字架に流されたという血潮を、今目の前に見せられているような、深い感動を覚えた」。そして陽子は、神の実在が何の抵抗もなく信じられた。(燃える流氷)