integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

目の前から去る者は心から去る

「去る者日々にうとし」。英語では、"Out of sight, out of mind.”

 

用例(作品の50音順)

愛情のうつろいやすさ、人の心の冷たさを示す。

 海嶺

 妻を恋しがる気の弱い男に対して誰かが「目の前から去る者は、心から去る、って諺があるぜ。お前の女房は、まちがいなく、ほかの男の膝の上さ」と言う(「椰子の木の下」)

 

太陽はいつも雲の上に

「野の章」にこの言葉が出てくる。綾子は「人の心の冷たさをいうのであろうか、人間の愛の限界を示しているのであろうか」と言い、自身の父の死、わが子を失った母の悲しみをたとえに出し、生きていく過程で亡くなった人を次第に忘れ去られていくものだとする。だが、「毎日わたしたちがつきあっている人々に、つきあっている間だけでもわたしたちは、真実こめたつきあいをして行きたいものである」と結ぶ。

ひつじが丘

良一が過去付き合っていた女性のことを次々に忘れていったこと、とりわけ中絶手術の失敗で死んだサトミのことすら「前世のできごとのようにすっかり忘れていた」ことを意味する。