integral:三浦綾子資料室

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ひつじが丘:良一の母・伸子/杉原伸子(すぎはらのぶこ)

 小料理屋を営み、女手一つで良一と京子を育てる。輝子の父の妾。輝子は伸子を恨み「殺したい」と思うほど憎む。奈緒実は「いい人ですけれど、生活に苦労をしたためか、人間は金さえあれば何とかやっていけるという人生哲学を持っていたよう」だと評するが、金が第一と考える哲学を持っているようだ。また、輝子の父親との不倫に際しても、輝子の母と対峙した際には、「一銭の金ももらっているわけじゃない」と伝え、問題ないとする。

(1)奈緒実から見ると「良一によく似たまなざしを持つ」。良一は鏡台に向かう母を「五十歳という年齢を誰もほんとうにはしない。三十七か八といっても通る若々しい母」だとみている。

(2)奈緒実から見ると「(娘の)京子よりもたよりがなく、すぐに相手によりかかってくるようなところがあった」。また、輝子から母が妾であることを知らされた良一は、人の妾になるほどの「気概」や「才覚」もないし、「今でも一人でトイレに行くことが出来ず、時々女中のタキを夜半に起こして、ついて行かせることがある」ほど「臆病」者だし、「五つの子が遊びにきてもビールを出して、それが何よりのご馳走だと思っている」のが自分の母なので、「笑い出したい気持」になる。

(3)「愛情なんかより、一万円札の方が空っぽの胃袋にはたしになりますからね」