『氷点』作中人物事典
『氷点』では、北原が四つの時に千島から引揚げた。妻は千島で永眠。滝川で肥料工場を経営している。邦夫、みちこの父であること、北原の誕生日やおまつりのときは、手作りのカレーを作ったので、北原にとってカレーライスはご馳走であることが記されている…
実在の人物。『氷点』執筆時の旭川六条教会の牧師を務め、のち大阪府吹田市にある千里聖愛教会の牧師を務める。※『続氷点』等に登場する。1929(昭和4)年高知県に生まれる。1956年同志社大学大学院神学部を卒業、同年石橋教会に赴任。その後、京都丸太町教…
辻口医院の小使二人。氏名年齢容姿不明。ルリ子の行方が分からなくなったことから、啓造に呼び出される。翌日、ルリ子が死体で発見されたことから、村井に叩き起こされる。
ルリ子がいなくなったことから、啓造は警察に電話をかける。そのとき応対した警官。氏名年齢容姿不明。「のんびりした口調」「祭りの警戒で人手不足なのか疲れた声」で応対。
二人組。氏名年齢容姿記述なし。陽子は北原への誤解を解いたものの、何故徹が誤解を招くような写真を送ってきたのかその理由などを考えていたとき、近くにいた。
『大辞泉』(増補・新装版)によると ユークリッド[Euclid][前三三〇ころ 前二六〇ころ]ギリシアの数学者。プラトンに学び、アレクサンドリアで教育に従事。「ストイケイア(幾何学原本)」を著し、幾何学の祖とされる。現存する著は他に「光学」「音程論」…
陽子の高校の友人たち。氏名容姿性格記述なし。進学組で「廊下を歩く時も単語カードを見ながら歩いて」いることから、ゆっくり話し合えず、陽子は孤独を感じるようになる。
陽子の中学校の同級生。卒業式で、仰げば尊しを歌いながら、「くすくす笑っている」。氏名、容姿記述なし。
陽子の中学校の同級生。卒業式で、仰げば尊しを歌いながら、声をあげて泣いている。氏名、容姿記述なし。
『大辞泉』(増補・新装版)によるとクローデル[Paul Cloudel][一八六八 一九五五]フランスの詩人・劇作家・外交官。カトリック信仰に支えられた壮大な世界認識の詩劇を書いた。また駐日大使として日仏文化交流に貢献。詩集「五代頌歌」、戯曲「マリアへのお…
村井の母に、「早く嫁をもらうようにいってくれ」と泣きつかれた高木は、村井に見合い相手の写真を見せようとする。だが、村井は「高木さんがいいと思ってすすめてくれるなら、それでいいでしょう」と写真を見るのを拒み、彼独自の結婚観を示す。啓造は写真…
高木の会話中にのみ登場。高木に、村井に見合い相手を紹介してほしいと泣きつく。「お前のムッター(母親)に、口説かれたんだ。早く嫁をもらうようにいってくれとな。悪く思うなよ。」
『氷点』:啓造と高木の会話のみに登場。「福沢諭吉といえば、福沢の恋人がいたのを知っているかね」「旭川にその恋人の息子や、孫がいるんだがね」「ああ、本当らしい。息子といっても、もう七十だ。立派な人でね。孫も慶応出の、できた人間だよ」とある。…
『氷点』:啓造と高木の会話のみに登場。「福沢諭吉といえば、福沢の恋人がいたのを知っているかね」「旭川にその恋人の息子や、孫がいるんだがね」「ああ、本当らしい。息子といっても、もう七十だ。立派な人でね。孫も慶応出の、できた人間だよ」とある。…
『氷点』:啓造と高木の会話のみに登場。「福沢諭吉といえば、福沢の恋人がいたのを知っているかね」「旭川にその恋人の息子や、孫がいるんだがね」「ああ、本当らしい。息子といっても、もう七十だ。立派な人でね。孫も慶応出の、できた人間だよ」「何でも…
福沢諭吉のことば。『大辞泉』(増補・新装版)によると、 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず 生来、人間は平等であり、貴賤・貧富の差別は初めからあるものではない。◆福沢諭吉「学問のすゝめ」から。 -------------------------------------------…
実在の人物。『大辞泉』(増補・新装版)によると、ふくざわゆきち【福沢諭吉】 [一八三五 一九〇一]啓蒙思想家・教育家。大坂の生まれ。豊前中津藩藩士。大坂で蘭学を緒方洪庵に学び、江戸に蘭学塾(のちの慶応義塾)を開設、のち独学で英学を勉強。三度幕…
生没年、名前、容姿、性格記述なし。洞爺丸に乗船した啓造はそばにいた商人風の男から、にぎり飯を分けてもらう。「醤油にまぶした削り節の入っているにぎり飯」を食した啓造は、「何となく、少年の日の、母の作ってくれたにぎり飯がしみじみと思い出された…
松尾芭蕉の句。松尾芭蕉の俳諧紀行文、「奥の細道」『旅立ち』、矢立ての句『氷点』:夏枝が札幌の丸惣旅館に滞在中、辰子は辻口家に泊まりに来て、この句を上げて「(魚が)泣くぐらいなら、笑いもするわ」と徹に説明する。(ゆらぎ)
陽子が小学校一年生の時の学芸会で、開会の辞を述べるはずが、自分のすることを忘れて黙ってしまう。「紺の背広に白い襟を出した」男子。氏名、容姿記載なし。
辻口医院の交換手。名字、年齢、容姿記述なし。札幌から高木が村井の復職について相談してきた時の電話を取り次ぐ。晴子の名前は松崎由香子の会話の中に「交換の晴子さんが、ちょっと席をたったとき、私に代りに座っていてとおっしゃったので……」と出てくる。
『続氷点』:「相沢純子」の項目参照。 ※『氷点』本文中では、「生まれたばかりの赤ん坊」「生後間もない佐石の子」「佐石の子」「犯人の子」「佐石の子供」「佐石の娘」と表記される。 啓造は、和田刑事の話で高木が関係している乳児院に預けられていること…
陽子が小学校一年生の時、辻口家は一家で支笏湖に遊びに来た。その時、泊まった宿の向かい側の棟に滞在。
啓造は彼にすれ違う。そのあと、「啓造は四季それぞれの服を持っていることをうしろめたく思った。国民のだれもが衣類を米にかえて、辛うじて生きながらえている時代であった」という描写が続く。
啓造と夏枝が、高木の元に子供をもらいに行った際、次のように描写される。氏名年齢記述なし。「つづいて毛布につつんだ赤ん坊をだいた保母が、しずかに入ってきた」「神経質そうな保母」(九月の風)
啓造と夏枝が、高木の元に子供をもらいに行った際、次のように描写される。氏名年齢記述なし。「ノックをして、お盆のようにまんまるい顔の看護婦が入ってきた。」(九月の風)
高木の所に、犯人の娘が欲しいと相談に行った啓造が、病院を出た後、大通りのベンチに座っていたときに目撃。氏名年齢容姿不明。煙草を拾い口にくわえる姿を見て「戦争に負けて大変な世の中なのだ。それなのにおれは自分一人の憎しみや悲しみの中におぼれて…
高木の所に、犯人の娘が欲しいと相談に行った啓造が、病院を出た後、大通りのベンチに座っていたときに目撃。「戦争に負けて大変な世の中なのだ。それなのにおれは自分一人の憎しみや悲しみの中におぼれている」と思う。「大きな荷物を背負った軍服姿」「生…
高木の所に、犯人の娘が欲しいと相談に行った啓造が、病院を出てアカシヤの並木の下を歩いている時に目撃。「母親に手をひかれ」たその子は「ほっそりとした首すじから、けずりとったようにまっすぐな、後頭部の形までが」「ルリ子かと思った」くらいよく似…
「雨のあと」の章で、次子の会話の中に登場。辻口家とは三百メートルほどの所に住んでいて、徹は紙しばいを見に行った。