integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

神/神さま

(1)大いなるもの、人間の意志を超えた存在

『氷点』:陽子は北原からもらった手紙にある「大いなるものの意志」ということば、「神」を連想するが、「神」について考えたことがないことや、「神を信じなければならないほど弱くはない」と思う。だが、北原がいうように、「運命」とはちょtっとちがう、「人間の意志をこえた、もっと大きな意志」がある気がするが、何が違うのかがわからない。(『氷点』千島から松)

『続氷点』:
燃える流氷を目の当たりにした陽子は、「先程まで容易に信じえなかった神の実在が、突如として、何の抵抗もなく信じられた」。「人間を超えた大いなる者の意志を感ぜずにはいられなかった」とし、「いまこそ人間の罪を真にゆるし得る神のあることを思った。神の子の聖なる生命でしか、罪はあがない得ないものであると、順子から聞いていたことが、いまは素直に信じられた。この非情な自分をゆるし、だまって受けいれてくれる方がいる。なぜ、そのことがいままで信じられなかったのか、陽子は不思議だった」。(燃える流氷)

(2)キリストのこと
キリスト


(3)仏壇や神棚に手を合わせる
『続氷点』:
・夏枝は、「毎日お仏壇に手を合わせますけど、考えてみましたら、何に手を合わせているのか、わかりませんもの」というが、辰子は、神棚に手を合わせる行為について次のように述べる。「だいたい、そんなもんじゃない? わたしたちって神棚に手を合わせるけれど、神棚に神さまがいるなんて思ってやしない。仏壇の前にすわっても、仏さまがその中にいるなんて考えてやしない。つきつめたら、何に手を合わせているのか、わからないんじゃない? 大ていの人は」(花ぐもり)

(4)一人残らず救う存在
『続氷点』
・村井は「無意味なことをしているんですよ。とにかく神さまなんて、ありやしない。安心しなさい」と言うが、辰子は「神さまがいないんじゃ、安心できない」「救われがたいからといって、救えなきゃ神さまとはいえないよ。一人残らず救うのが神さまだからね」と言う。(花ぐもり)

(5)神社にお参りに行く
『積木の箱』:
 元日、和夫は久代に、「神社に、ほんとに神さまっているの?」と尋ね「ぼくねえ、一度も神さまの顔をみたことないよ。ほんとに神社の中にいるんだろうか」と言う。久代は、神さまは目に見えないことを説明する。
 また、和夫は一郎にも「神社に神さまいるの」と尋ねると、一郎は「神さまなんて、いないさ。この世に神さまがいるわけないさ」と言い、元旦に神社に行くのは習慣だと説明すると、和夫なりに物事を理解し、神さまがいないとしょんぼりする。
 一郎は「いや、和夫君、それはわからないよ。神さまはいるかいないかわからないけど、いると思っているひとだって、世の中にはたくさんいるんだよ。神主さんや、教会の牧師さんや、それからたくさんの人が神さまはいると思うから、わざわざ遠くから神社にお参りにいくんだよ。ただ、ぼくはいないと思ったんだ。だけど、わからんよ。そのうちに、いないと思った神さまがあらわれるかもしれないからねえ」と慰め、久代も「和夫ちゃん、おかあさんは神さまはいらっしゃると信じてるわ。神さまは、信じている人のお祈りは、聞いてくださるわ。ね、一郎さん」と言う。
 和夫は二人の言葉を聞いて「そしたらぼく、やっぱり神さまを信じるよ。お祈りをきいてもらったほうが、とくだもん」と言う。(発車)