integral:三浦綾子資料室

作家・三浦綾子に関する研究をするブログ。※予告なしに記事の修正削除およびURLの変更を行います。

『嵐が丘』

エミリー・ブロンテの小説。

『氷点』:高校生になった陽子が見本林で読んでいる姿を、北原が目撃する。

 小説の主人公ヒースクリッフが捨て子であるということが、陽子の感情を刺激した。ヒースクリッフの暗い情熱が陽子にのりうつったような感じだった。陽子は息をつめるようにして読んでいった。捨て子だった主人公が、兄妹のようにして育ったキャザリンを愛し、キャザリンが人妻になっても執着し、遂には死んでしまったキャザリンの墓をあばき、キャザリンの幻影をいだきながら死んで行く激しさが、生みの親を知らない陽子には共感できた。(『氷点』千島から松)

 本を読みながら、陽子はヒースクリッフのように激しく人を愛し、愛されたいと思うと共にヒースクリッフを<かけがえのない存在>を持った人間だと思う。
 北原は、陽子が持っていた本に目をとめて「ぼくも二回読みましたよ」という。